パドリングの正しいやり方と疲れないコツ【サーフィン初心者向け】

「テイクオフまでにヘトヘトになる…」
「すぐ腕がパンパンになる…」
「サーフィンのパドリングのコツを知りたい」

この記事はそんな方へ向けて書いています。

パドリングの悩みのほとんどは、パドリングのフォームと力の使い方を見直すだけでグッと楽になります。
サーフィンはライディングよりも、実はパドリングしている時間の方が長いスポーツ。
だからこそ、正しいパドリングフォーム+疲れないコツを知っているかどうかで、上達スピードも波の本数も大きく変わります。

この記事では、

  • サーフィンのパドリングの正しいフォーム
  • すぐ疲れてしまう原因と改善ポイント
  • 疲れないためのコツ&陸トレ方法

を初心者向けにわかりやすく解説します。


なぜパドリングがそんなに大事なのか?

パドリングはただ「前に進む動作」ではありません。

  • ポジション取り(良い場所にいること)
  • 波に置いていかれないための移動
  • テイクオフの助走(スピードをつける)

など、サーフィンのすべてのスタートになる動きです。

パドリングが上手になると…

  • 良い波の近くにサッと移動できる
  • テイクオフの成功率が上がる
  • 体力に余裕ができて、長い時間楽しめる

というメリットだらけ。逆にパドリングが間違っていると、
「ひたすら疲れるだけで、ほとんど乗れない…」という状態になってしまいます。


パドリングの正しいフォーム【基本の3ポイント】

① ボードの上でのポジション(乗る位置)

まずはどこに寝るかが超重要です。

  • 基本は「ノーズ(先端)がほんの少しだけ水面から出る位置」
  • ノーズが大きく浮いている → 後ろに乗りすぎて抵抗が増える
  • ノーズが沈む → 前に乗りすぎて失速&パーリングの原因

目安としては、
うつ伏せで胸を少し反らせた状態で、ノーズ先が1〜3cmくらい水面から上にある位置を探してみてください。

② 上半身の姿勢

パドリング中の姿勢は次のイメージです。

  • 胸を軽く反らせる(反りすぎて腰を痛めないように注意)
  • おへそあたりをボードにつける感じ
  • 目線はやや前(真下を見ない)
  • 顔だけでなく胸から上を軽く持ち上げるイメージ

腰が反りすぎて痛い人は、
・肘を少し曲げて胸を支える
・ボードのポジションを少し調整
などで、自分が楽にキープできる位置を探しましょう。

③ 手のかき方(ストローク)

腕だけでバシャバシャかくのではなく、
水をしっかりキャッチして後ろに押し出すイメージが大事です。

基本の流れはこんな感じ。

  1. 腕を前に伸ばす(肩の幅くらい)
  2. 指先から静かに水に入れる(バシャッと入れない)
  3. 手のひらと前腕全体で水をキャッチ
  4. 肘をあまり落としすぎず、体の近くを通りながらお腹あたりまで水を押す
  5. 水の外に手を出すときはリラックスして戻す

ポイントは、

  • 「かく」より「押す」イメージ
  • 手は深く入れすぎず、自分の胸〜お腹のラインの下の水を押す
  • 手の軌道は、体のすぐ横〜少し外側くらい

です。腕を早く回すよりも、ゆっくり大きく、水をしっかり掴んで押す方が進みます。


疲れないパドリングのコツ① 力を抜く場所を覚える

パドリングが疲れる最大の原因は、ずっと力みっぱなしなこと。

  • 常に肩に力が入っている
  • 手を水から抜くときも力を入れたまま
  • 早くかこうとして腕を振り回す

これだと肩・首・腕がすぐパンパンになります。

疲れないためには、

  • 水の中「だけ」しっかり力を入れる
  • 水の外では「ダラーン」と脱力する

このメリハリが超重要です。

水を押しているときだけ本気
→ 手を戻すときは、腕の重さに任せるくらいでOKです。


疲れないパドリングのコツ② ストローク数より“伸び”を意識する

初心者がやりがちなのが、

とにかく回数を増やして頑張って進もうとする

こと。これは自転車でギアを一番軽くして空回りしている状態に近いです。

  • 小さいストローク × 高回転 → 疲れるのに進まない
  • 大きいストローク × 適度な回転 → 少ない回数で進む

をイメージしてください。

1ストロークごとにボードがスーッと伸びる感覚があればOK。
自分の中で「1、2、1、2」とリズムをとりながら、
ゆったりしたテンポで大きくかくように意識してみましょう。


疲れないパドリングのコツ③ 体幹で進むイメージを持つ

腕だけで頑張ると、すぐに限界がきます。

理想は、

  • 肩甲骨と背中まわり
  • 体幹(お腹まわり)

から動かして、その連動で腕が動くイメージです。

やってみてほしい感覚は、

  • 腕を回すとき、肩だけでなく「背中ごと」動いているか
  • 背骨を中心に、上半身が左右にわずかに揺れているか

腕を単独で振るのではなく、
上半身全体で水をつかんでいるようなイメージを持つと、楽に力が出せます。


疲れないパドリングのコツ④ 呼吸とリズムを合わせる

意外と見落とされがちなのが呼吸です。

  • 無意識に息を止めてしまう
  • 早く進みたくて呼吸が浅くなる

こうなると心拍数が上がりすぎて、一気に疲れます。

おすすめは、

  • 「2〜3ストロークに1回」軽く息を吐く
  • 苦しくなる前にこまめに呼吸する
  • 波待ちの合間に、深呼吸でリセットする

パドリングはマラソンに近い動きなので、
「ゼーゼーする前にリズムよく呼吸する」が鉄則です。


よくあるNGパドリングと改善方法

NG① バタ足をしすぎている

初心者あるあるが、バタ足でなんとか進もうとするパターン

  • 足だけ動いて上半身がグラグラ
  • 余計な水しぶきが上がる
  • 体力の無駄遣い

バタ足は「バランスをとる」「ちょっとだけ加速をつける」程度でOKです。
メインはあくまで腕のパドリングで進むことを意識しましょう。

NG② 目線が下がっている・猫背になっている

目線がボードのすぐ前や真下に落ちていると、

  • 背中が丸くなる
  • ボードのノーズが沈みやすくなる
  • 水の抵抗が増えて進みにくい

と悪循環になります。

目線は進行方向の少し先
背中を軽く伸ばすだけでも進みが変わります。

NG③ 手を真下に突っ込んでいる

腕を真下にドボンと入れてしまうと、

  • 体が左右にグラグラ
  • ボードが蛇行して真っ直ぐ進まない
  • 肩の負担が増える

原因になります。

  • 肩幅より少し外側から手を入れる
  • 体のすぐ横〜少し外側の水を押す

この軌道を意識してみてください。


陸でできるパドリング上達トレーニング

海に行ける回数が限られている人ほど、陸トレが効いてきます。

① タオルパドリング(肩甲骨の動きの練習)

  1. フローリングなどでうつ伏せになる
  2. 両手にタオルを持つ
  3. パドリングのようにタオルを前後に動かす

ポイントは、

  • 肩だけでなく肩甲骨ごと動かす
  • 腕を戻すときは力を抜く

海に行かなくても、パドリングの動きのクセを修正できます。

② 体幹トレーニング(プランクなど)

  • プランク
  • サイドプランク
  • バードドッグ(四つん這いで片手・片足を伸ばす)

などのシンプルな体幹トレーニングは、
ボードの上で安定した姿勢をキープする力につながります。


パドリングが楽になるために意識したい3つの習慣

最後に、毎回のサーフィンで意識してほしい「習慣」をまとめます。

  1. 入水前に肩まわりと背中をほぐす
    • 肩甲骨回し・首回し・胸を開くストレッチ
      → 可動域が広がり、少ない力で水を押せる
  2. その日のうちに「疲れたポイント」をメモする
    • 「今日は肩が先にパンパンになった」
    • 「腰が痛くなった」など
      → 疲れた場所=フォームの改善ポイント
  3. 動画や他のサーファーを観察する習慣をつける
    • 上手い人ほど、実はそんなにバタバタしていない
    • パドリングがスムーズで、ボードがまっすぐスーッと伸びている

自分の感覚だけでなく、客観的なイメージを頭に入れておくと、
フォーム修正が早くなります。


まとめ:正しいフォーム+脱力でパドリングは必ず楽になる

  • ノーズが少しだけ浮くポジションでボードに乗る
  • 胸を軽く反らせて、目線は前
  • 手は「水を押す」意識で大きくゆっくりストローク
  • 水中でだけ力を入れて、戻すときはしっかり脱力
  • 呼吸とリズムを意識して“マラソン”のように続ける

このあたりを押さえていくと、
同じ時間・同じ波のコンディションでも、乗れる本数が確実に増えてきます。

パドリングは一度コツをつかむと、一生モノの技術になります。
次に海に入るときは、「フォーム」「脱力」「リズム」の3つを意識しながら試してみてください。

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