サーフィンの波の選び方完全ガイド|初心者が乗るべき波・避けるべき波を徹底解説

「せっかく海に来たのに、全然波に乗れない…」
「どの波に手を出していいのか分からない…」

この記事はそんな方へ向けて書いています。

サーフィン初心者が最初につまずきやすいのが、波の選び方です。
同じポイント・同じ時間帯でも、「乗れる人」と「乗れない人」の差は、テイクオフの技術だけでなくどの波を選んでいるかで大きく変わります。

この記事では、

  • 初心者が“乗るべき波”の特徴
  • 初心者が“避けるべき波”の特徴
  • 海に着いてから実際にどうやって波をチェックすればいいか
  • よくある失敗パターンと、その防ぎ方

を、これからサーフィンを始める人にも分かりやすく解説します。


なぜ「サーフィンの波の選び方」がこんなに大事なのか?

サーフィンは、どんなにパドリングやテイクオフが上手でも、「悪い波」ばかり選んでいたらほとんど乗れません。

逆に、まだテイクオフが安定していなくても、

  • パワーがちょうど良い
  • 割れる位置が分かりやすい
  • 長く続く“優しい波”

を選べれば、ライディング本数が一気に増えて、上達スピードも加速します。

特に初心者のうちは、

  • 「根性」よりも「波選び」
  • 「本数」よりも「質の良い波」

を意識するだけで、疲れ方も楽しさも大きく変わります。


初心者が乗るべき波の特徴

まずは、「こんな波なら狙ってOK!」という条件から。

① サイズ:腰〜腹くらいまでの小〜中サイズ

初心者におすすめなのは、腰~腹(たまに胸)くらいまでのサイズです。

これくらいのサイズだと、

  • パワーが強すぎず、吹き飛ばされにくい
  • ワイプアウトしても怖さが少ない
  • パドルでアウトに戻りやすい

といったメリットがあります。

いきなり頭サイズのうねりや、ゲキ掘れの波にチャレンジするより、「少し物足りないかな?」くらいの波で、テイクオフ成功率を上げる方が上達が早いです。

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② 波の形:ゆっくり割れる“厚め”の波

初心者が狙いたいのは、

  • うねりからゆっくり割れてくる
  • 壁が立ちすぎず、少し厚めで優しい
  • 横に長く続いてくれる

といった波です。

チェックポイント

  • 遠くから見て、スーッと山のように盛り上がり、ピークから順に崩れていく波
  • 崩れる瞬間に「ドンッ!」と一気に落ちるダンパーではなく、じわじわブレイクしていく波
  • 他のサーファーがその波で長く乗れているかどうか

ビーチに着いたら、「どの波で一番長く乗れている人がいるか」を観察してみてください。
その波のサイズ・割れる位置・ブレイクの速さ
を真似するのが、波選びの近道です。


③ ブレイクの位置:岸から少し離れた、一定のラインで割れる波

初心者向きなのは、ショアブレイク(ほぼ岸でいきなり崩れる波)ではなく、岸から少し離れた、決まったラインで割れる波です。

ショアブレイクは、テイクオフの余裕がほとんどなく、

  • 板がすぐに砂に刺さる
  • こけた瞬間に体も砂に叩きつけられる

ので、初心者にはかなり危険です。

一方、うねりが少し沖で割れて、その後もほどよく続いてくれる波なら、

  • 早めにパドルを始められる
  • テイクオフの時間的余裕も生まれる
  • ボトムターンの練習もしやすい

と、いいことづくめです。


④ 人が少なく、雰囲気が穏やかなエリア

実際のサーフポイントを上から見たとき、初心者が狙いたい場所・避けたい場所は下の図のようなイメージです。

サーフポイントのどこを狙う?初心者向きエリアのイメージ図 岸・インサイド・アウトの位置関係と、初心者が入るべきエリアと避けるべきエリアを示した図。 初心者が狙うエリア ・サイズは腰〜腹 ・厚めでゆっくり割れる ・人がギュウギュウすぎない 避けるべきエリア ・ショアブレイクでいきなり割れる ・上級者が集中しているピーク 岸(ビーチ) ここでいきなり割れている日はショアブレイク気味

波の質だけでなく、“人の多さ”も初心者の波選びの重要ポイントです。

  • 上級者だらけで、みんながギラギラしているピーク
  • インサイドまで人がぎっしりいるエリア

は、初心者にはストレスが大きく、トラブルの元になりやすいです。

少しピークを外したところで、

  • 人が少なめ
  • 初心者やスクール生がいる
  • 雰囲気が優しい

そんなエリアの“小さめの波”を選ぶ方が、安全かつ確実に楽しめます。


初心者が「避けるべき波」の特徴

次に、「この波はまだやめておこう」というNG条件を押さえておきましょう。

まず、初心者が狙うべき波と、まだ避けたほうがいい波のイメージは下のようになります。

① サイズが大きすぎる・パワーが強すぎる波

  • 胸〜頭サイズ以上のうねり
  • うねりの段階から“壁”のように立ち上がる
  • 見ているだけで「ドーン」という迫力がある

こうした波は、パドル力・テイクオフ力・安全判断のすべてが必要な、上級者向けコンディションです。

初心者が無理をすると、

  • パドルしても追いつかない
  • 真上から崩れた波に叩かれる
  • 何本も連続でくらって心が折れる

と、怖い体験だけが強く残ってサーフィン自体が嫌になってしまうことも。

「ちょっと怖いけどギリいけそう」と思えるラインより、一段階小さい波から慣れていくのがおすすめです。


② 掘れていて速すぎる波(ダンパー気味)

  • ピークが一気に崩れ、白波が一斉に広がる
  • テイクオフする前に波が閉じてしまう
  • 他の人もワンアクションで終わってしまうような波

こういった速すぎる波・ダンパーは、初心者にはかなり難易度が高いです。

テイクオフの余裕がほとんどなく、

  • 立ち上がる前に置いていかれる
  • 立ててもすぐに潰される
  • ワイプアウトの衝撃も大きい

ので、練習になりにくい割に、リスクだけが高い波です。


③ ショアブレイク・インサイドだけで割れる波

  • ほとんど岸ギリギリで急に割れている
  • テイクオフしようとすると、すでに足がつく浅さ
  • 他の人もあまり乗っていない

このようなショアブレイク中心の日は、初心者にはあまりおすすめできません。

  • 板が砂に刺さる
  • 足や体を岩・テトラにぶつけやすい
  • うまく乗れてもすぐに終わってしまう

安全面のリスクが高いので、別の日に時間を変えるか、別ポイントを選ぶ方が賢明です。


④ 風でぐちゃぐちゃ&流れが強いコンディション

  • 海面がボコボコしていてまとまりがない
  • 波の向きがバラバラで、どこで割れるか読めない
  • 乗ってもガタガタしてすぐ失速する

強いオンショア(海から陸に向かう風)が吹いている日は、「風波」でコンディションが悪いことが多いです。

さらに、

  • 見ていて明らかに片方の方向へ流されている
  • 他のサーファーも歩いて戻っている

ような日は、カレント(流れ)が強いサイン

初心者のうちは、波の形だけでなく「海全体が落ち着いているか」もチェックしましょう。

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⑤ 上級者だらけ&極端に混雑したピーク

波が良さそうでも、

  • 上級者・ローカルサーファーがギッシリ
  • みんながピークに詰めてポジション争いをしている
  • 怒号や睨み合いが起きているような雰囲気

そんなピークは、初心者が入っていくにはかなりストレスフルです。

  • 波を取るのが難しい
  • マナー違反になりやすい
  • トラブルや接触のリスクも高い

少しピークを外した場所や、初心者やスクール生が多いエリアの“少し小さい波”を選ぶのがおすすめです。

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実際の「波の見方」チェック手順

ここからは、海に着いてから具体的にどう波を選べばいいかの流れを紹介します。

① いきなり着替えず、まずは3〜5分じっくり観察

初心者ほどやりがちなのが、
「早く入りたい!」と焦って、波をほとんど見ずに海へ向かってしまうこと

まずはボードを持つ前に、

  1. どのあたりで波が割れているか
  2. 一番よく乗れている人はどこから乗っているか
  3. その人の波のサイズや形はどうか
  4. 自分が入るとしたら、どこにポジションを取るか

を、3〜5分じっくり観察してみてください。


② 「初心者が乗るべき波」の条件と照らし合わせる

観察しながら、この記事のポイントを思い出してチェックします。

  • サイズ:腰〜腹くらいの波があるか
  • 形:厚めでゆっくり割れているか
  • ブレイク位置:ショアではなく少し沖で安定して割れているか
  • 人:ギスギスしたピークではなく、余裕のあるエリアがあるか

この条件に近いエリアがあるなら、そこを今日の練習場所に決めましょう。


③ 入ってからも、常に観察&微調整

海に入ったあとも、

  • 乗れた波:どこから、どんなタイミングで割れたか
  • 乗れなかった波:何が原因か(遅かった/速すぎた/ポジションが悪かった…)

を意識して、少しずつポジションをずらしていくと、だんだん“自分の乗れる波”が見えてきます。


初心者がやりがちな失敗パターンと対策

波の選び方でありがちなミスと、その対策も知っておきましょう。

失敗① 大きなセットばかり狙ってしまう

「せっかく来たんだから一番大きい波に乗りたい!」
その気持ちは分かりますが、ほとんどの場合、

  • パドルで追いつかない
  • 真上からかぶされて吹き飛ばされる
  • 1本のミスで何本もくらって心が折れる

というパターンになります。

対策:
最初のうちは、「一番大きい波」ではなく、“ミドルサイズの綺麗な波”だけ狙うと決めてしまいましょう。
「今日は胸以上は全部見送る」と、ルール化してしまうのもアリです。


失敗② インサイドで消耗し続けてしまう

  • 割れる場所が分からず、ひたすらインサイドで揉まれる
  • アウトに出ようとしても、何度も押し戻される
  • 体力だけ使って、ほとんど乗れない

これは「割れる位置」と「流れ」を見れていないことが原因です。

対策:

  • 他のサーファーがどこからアウトに出ているか観察する
  • 一番波が割れているところを避けて、脇から回り込む
  • 明らかに流れが強いときは無理をせず、いったん上がって休憩&観察

失敗③ 「怖い波」と「ちょうどいい波」の区別ができない

初心者のうちは、少し大きく見えるだけで全部“怖い波”に見えがちです。
逆に、経験が浅いのに無理して大きな波にチャレンジしてしまう人もいます。

対策:

  • その波で、他の初心者〜中級者が普通にテイクオフできているかを見る
  • 自分と同じくらいのレベルの人が楽しそうに乗れているかを目安にする
  • 「今日は怖さが先に来るサイズなら、無理しない」と決めておく

怖さが勝っている状態だと、どうしても体が固まり、テイクオフもうまくいきません。
一歩手前の“少しドキドキするけど、頑張れそう”なサイズから慣れるのがベストです。


初心者におすすめのポイント・コンディションの選び方(ざっくり)

最後に、波選びの前段階として、初心者が選びたいポイント・コンディションのイメージもざっくり押さえておきましょう。

  • 地形:遠浅のビーチブレイク
  • サイズ:腰〜腹前後の小〜中サイズ
  • 風:弱いオフショア〜ほぼ無風
  • 人:スクール生や初心者が多く、雰囲気が穏やかなポイント
  • 安全:岩場・テトラ・強いカレントが少ないエリア

まずはこうした条件の日を狙って海に行き、「良い波を選ぶ」感覚を少しずつ育てていくのがおすすめです。


まとめ:波の選び方を覚えると、サーフィンはもっと楽しくなる

サーフィンの上達には、テイクオフやパドルの練習ももちろん大事ですが、
それ以上に、

  • 初心者が乗るべき波の条件を知ること
  • 初心者が避けるべき波を見極めること

が大きな鍵になります。

ポイントのおさらい

  • サイズは「腰〜腹」くらいを基本ラインに
  • 厚めでゆっくり割れる、横へ続く波を選ぶ
  • ショアブレイク・ダンパー・強い流れのある日は無理しない
  • 上級者だらけのピークは外して、少し空いているエリアで練習
  • 海に着いたらまず3〜5分、波と人の動きをじっくり観察する

今日から海に行ったら、ぜひ「どの波を選ぶか」を意識して一本一本の波と向き合ってみてください。
同じ時間・同じ本数でも、選ぶ波が変わるだけで、サーフィンの楽しさと上達スピードは大きく変わります。

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